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LINE6 M5 を使ってみよう

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これの続き
LINE6 M5 が俺のところにやって来た。 - guitars.grrr

お借りしたからには色々と書かねばなりますまい、ということで、操作方法や使用感などを。一応前提として書いておきますけれど、M5 の兄弟機種である M13 と M9 は、全く使ったことがなく、せいぜい楽器屋さんでちょっと指先で触れたことがある程度です。

というわけで、まずは大きさ。

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俺の年季の入った BOSS のDS-1 と比べたらこんな感じ。面積比で3対1ぐらいかな。この DS-1 は、10年以上放置してたので、ガリがひどくて使い物にならない。気の毒なことをしました。

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厚み。ツマミ類を除いた本体そのものは同程度。

重さは 1.1kg 。特に軽くも重くもない。たとえば、同じ LINE6 の ToneCore シリーズなんかは、大きさの割には「え?」っていう重さですけど(軽いのもあるけど)、そんなことはなくて、見た目から想像できる程度の重量。むしろちょっと軽いかな、と思えるぐらい。

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アダプタ。小さい! 1Spot よりも小さい。素晴らしい。


基本は押して回すだけ

操作は極めて簡単。6つ並んだツマミの一番左上のツマミを、回すんじゃなくて押し込むと、エフェクトのカテゴリが切り替わる。カテゴリが切り替わると、液晶の色がそれに応じて変化するのでわかりやすい。

カテゴリを選んだら、今度はツマミを押すんじゃなくて、左右どちらかに回すと、そのカテゴリ内でエフェクトの種類が切り替わる。膨大な量のエフェクトがあるので、全部試すだけでも結構時間かかる。特に、モジュレーションとフィルター系は、やたらとバリエーションがある上に、飛び道具っぽいものも多くて、適当なフレーズ弾いてるだけで、ちょっとウットリしてしまい、薄目になった上に口が半開きになったりしそうになるので気を付けよう。

エフェクトを選んだら、今度は残りの5つのツマミを使って、パラメータをいじくる。画面の中に表示されたパラメータの位置と、画面下に配置されたツマミの位置は、それぞれ対応しているのでわかりやすい。また、1エフェクトにつき1画面になっていて、ボタンを押して切り替えてまた別のパラメータ表示させて調整、みたいな階層構造にはなってないので、直感的に操作できてステキ。

限られたスペースで表示しているため、パラメータの名称が省略されている。まあ触ってみたらだいたいわかるだろうけれども、もし意味不明なパラメータがあったら、 LINE6 の製品マニュアルダウンロードページ ( の Stompbox Modelers )に、 「 M13/M9/M5 FX Parameters 」 という PDF ファイルが置いてあるので、それ見たら OK。

というわけで、試奏する時なんかは、これだけ把握しておけば問題無し。要は、左上のツマミを押してカテゴリ選んで回して種類選ぶ、これだけ。ああ、それと、 TAP スイッチを長押しすれば、チューナーモードに入る。それぐらい。

これは憎らしい機能

あとは、エディットしたエフェクトを保存できるプリセットが 24個あって、2つあるフットスイッチを使って次々切り替えることができたり、 True バイパスか DSP バイパスか選べたり、 MIDI で色々コントロールすることもできる。

これは憎い機能だな、と思ったのは、エフェクトパラメータの画面上の数値と実際のノブの印が指している位置が違う時に、ノブ回すとどういう挙動をとるのか選べるところ。ノブをちょっとでも回すと、一気にその位置まで数値がジャンプする絶対的な動きと、ノブがどこを指してても、画面上の数値からスタートする相対的な動き。言葉で説明するとちょっとややこしいけど、実際に切り替えて使ってみたらよくわかる。

もう一つの憎い機能は、エクスプレッション・ペダルを繋ぐと、全てのパラメーターをコントロール出来ること。これはなんか凄いよ、つま先側を踏み込んだ状態で好きなツマミを回してパラメーターをセットして、今度はかかと側をいっぱいに踏んだ状態でまたツマミを回す。たとえば、つま先踏んでディレイタイムを最大にして、今度はかかと側踏んでディレイタイムを最小にする。たったそれだけの操作で、ペダルを踏んでディレイタイムをリアルタイムに変化させられる。それだけじゃなくて、ディレイタイムからフィードバック量から MIX 量からなにから何まで全て同時に自在に操ることができる。もちろん、操るセンスがあれば、の話ですけれど。

だからこれはディレイに限らず、歪み量から揺れのスピードから深さからフィルターの開き具合まで、なんでもペダルで全ていっぺんに操作できる。まあ俺はせいぜいワウペダルとして使うぐらいしかセンスも能力も無いんですけどね、ふん。ああそれと、BOSS のエクスプレッション・ペダルでちゃんと使えますよ。

ボリューム操作に対する反応について語る

LINE6 の空間系はずっと前から定評があるし、フィルター類もオーソドックスなワウから奇想天外な飛び道具まで色々あって、思わず使いたくなるエフェクトがたくさんある。で、やっぱり気になるのは、歪み系の出来はどうなのか、という人が多いんじゃないでしょうかどうでしょうか。

俺は最近、ギター本体のボリュームで歪み量をコントロールするという、非常に高等な技術をマスターすべく、頻繁にボリュームノブをくるくる回す、という、いや、実際にはそんなにくるくる回してるわけじゃなくて、目盛り二つか三つ分ぐらいを上げ下げする程度なんですけど、それは、主に最近はストラトをメインに使ってるからですけれど、これまでメインで使ってたフライングV もそうですけど、ギブソン系はボリュームの位置が遠いし二つもあるし、もうずっと全開のままだったんですけど、今はストラトなので位置が近いし、操作しやすいし、なによりもシングルコイルのあの透明感のある音にはまってるわけで、ボリューム最大の状態で深く歪むようにエフェクターをセットして、その状態から少しボリュームを絞った時に出るあのあれ、ほれ、あの感じ、あれがもう最近はナニがソレな状態で、もうほんとにナニなんです。

ただ、絞ってもそんなに変わらんエフェクターももちろんあるわけで、たとえばハイゲイン系のディストーションなんかは別にそれでいいんですけど、それでいいといういか、そのほうが良い場合もあるわけですけど、これがオーバードライブ系となるとそうはいかない。やっぱり、ボリューム操作に対して敏感に反応して欲しいですよね、って、まさか俺がそんなボリュームに対する反応がどうこう言うなんて、自分で書いててちょっと驚いてるわけなんですけど、ギターの腕前はたいしたことない、というか、アドリブのギターソロなんて、どんな曲でも全部同じだし、ミュートもちゃんと出来てないので雑音出まくりだし、全日本ギタリスト選手権があったなら、絶対に予選で落ちるし、もしかしたら書類選考で落ちるかも知れず、
「あいつ、選手権やのに書類で落ちてんて!」
「えー!なにそれ!意味不明!」

みたいなことを言われるような勢いですので、そんなんでピッキングに対する反応とか、コードの分離感がどうのとか言い出した日には、恥ずかしすぎて顔も上げられない状態になるのは間違いないところですけど、実際の所、そんな難しいことはあまりよく分からないので、心配する必要も無いのでした。

えーと、なんだったかな、ああそうそう、そのボリューム操作に対する反応ですけど、歪み系のエフェクトには、敏感に反応してもらわないと困るような、敏感に反応することを期待してしまうような名前の歪みがあるわけです。

たとえばこれとか、
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これもそう
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で、実際のところどうなのかというと、もうまさに期待通りの音が出てくるわけで、かなり生々しくて、瞬時にサブイボが出るレベル。特に Screamer は、俺の Tube Screamer 内蔵アンプに繋いでオンオフして聞き比べても、区別が付かない。それほどリアル。もっとも、区別付かないのは俺だけかもしれんけど。いや、でも大変よく似てる。その他にも、シングルコイルでもザクザクできる歪みもあるし、個人的には、Fuzz 系が充実しているのが嬉しいところ。

固定概念を覆さないといけない

というわけで、ざっと使ってみた感想なんかを書いたわけなんですけど、使っててちょっと不思議な感覚に陥るのは、やっぱり同時使用が1つだけだという点。やっぱりどうしても
「マルチエフェクター」
という固定観念が頭から離れないので、いろいろいじってると、
「歪みはこれにして、このフィルターかけてディレイはこれにしよう」
なんて考えが脳裏をチラッとよぎるけど、すぐに
「ああ、いやいや、そうじゃない、これはそうじゃないんだ」
と我に返る。
使っている時に何度か、この一連の思考に陥った。
なので、この LINE6 M5 は、マルチエフェクターでもなんでもなく、これまでに全く無かった、完全に新しいカテゴリの製品である、ということができますよ。

究極のワイルド・カード

しかしまあ内蔵エフェクトが沢山ありすぎて、ボードに組み込むにしても、どの機能を使うか、非常に悩んでしまうなあ。ああでも、色んな歪みを使い分ける人なんかは、今まで歪みを 3台4台並べてたところをこれ 1台だけで済むな。切り替えるだけですぐにプリセットをロードしてくれるモードにしておけば、スイッチ踏むだけで次々切り替えられるしな。ボードも軽くできるぞ。

これを3つか4つ買って足下に並べたら最強!って思ったけど、そういう人は素直に M9 か M13 買えばいいのだった。そうだった。でも俺みたいに、マルチエフェクターよりもコンパクトを並べるのが好きという人も多いでしょうから、これはそういう人にとってはまさに究極のワイルド・カードと言えるでしょう。いや、言いましょう。

あー、M5 を返す日が刻一刻と迫ってくるー...

というわけで広告。値段はどこも同じような感じ。

LINE6 M5 Stompbox Modeler
LINE6 M5 Stompbox Modeler

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